日本カルト協会

キリスト教福音宣教会(摂理)に関する声明と注意喚起

声明と注意喚起

キリスト教福音宣教会(以下「摂理」とする。)は、1979年頃に統一教会(現、世界平和統一家庭連合)元信者である鄭明析(チョン・ミョンソク)が創設した教会で、日本では2006年に元信者らが教祖・鄭明析による性的被害を告発したことにより大きく報道され、国内の多くの大学において信者を獲得しているという報道が社会に大きな衝撃を与えました。鄭明析教祖は、国際指名手配の末に逮捕され、2009年4月に韓国において強姦致傷罪等により懲役10年の有罪判決が確定し、服役していましたが、2018年2月18日に出所しました。鄭明析教祖の出所により、教団の活動が活発化することが予想され、新たな被害者が生まれることが懸念されるとともに、脱会者の心のケアへの一層の心配りが必要になっています。

1.新たな被害が懸念されること
2012年に記者会見を開いた元教団幹部(脱会者)である韓国人らは、逮捕以前の教祖による女性信者への性加害行為には教団幹部が関与し、組織的に行われてきたものである旨を述べています。
しかしながら、摂理は反省するどころか、HP上で鄭明析教祖の冤罪を主張し、被害を訴える女性への批判を行っており、同様の被害が発生する可能性を懸念せざるを得ない状況です。
また、摂理は、以前から大学キャンパスでの正体を隠した勧誘を行っており、勧誘される学生の選択の自由(宗教的な自己決定権)の侵害ではないかとの指摘もされてきましたが、正体を隠した勧誘方法は今も継続されており、さらにはSNSを用いた勧誘など手段の巧妙化が報告されています。
当協会の会員のところによせられる摂理関連の相談はここ数年増加しており、過去の報道を知らないと思われる大学生や高校生が勧誘の対象となっていることが懸念されます。
相談をした親の話によれば、本人の価値観の変容、抵抗なく嘘をつくようになったなど倫理意識の希薄化、疑問を投げかけると親をサタンと恐れ距離を置かれる、早朝から深夜まで教団活動を行い体調管理や家族の時間、学業や就活が後回しになるなどの不安の声が寄せられています。親の多くは、本人が摂理から脱することで自身の考えや人生を取り戻してほしいと述べていました。
2.支援の必要性
摂理では、脱会し批判する者は「死の宣告を受ける」と教えています。脱会者の話によれば、この教え込みはとても強いものであり、脱会した後も、回復のためには社会復帰のための具体的支援や心理的ケアが必要となりますが、教祖出所のニュースはその心理状態に悪影響を及ぼしかねないものです。
脱会者にとって、自身が体験したものを被害として受け止め支援を求めることは躊躇されやすく、人知れず困難を抱える結果に陥りやすいです。こうした被害の存在が広く社会に認識されることにより、困難を抱える脱会者が適切な支援に繋がることを期待します。
当協会は脱会者や家族、教育機関等からの相談に応じ、適切な支援を提供するとともに社会への啓発を継続していきます。

2018年2月19日
日本脱カルト協会
代表理事 西田公昭

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当協会は、心理学者、聖職者、臨床心理士、弁護士、精神科医、宗教社会学者、カウンセラーそして「議論ある団体」の元メンバーやご家族らで構成されている190人ほどのネットワークである。破壊的カルトの諸問題、カルトに関わる個人および家族へのカウンセリング経験についての交流およびカルト予防策や社会復帰策等の研究をおこない、その成果を発展・普及させることを目的としている。設立1995年6月、旧称日本脱カルト研究会、代表理事は西田公昭