日本カルト協会

7月8日の願い (2023/7/8)

 元首相が銃撃され死亡するという、あってはならない事件から1年が経ちました。ご遺族の悲しみに思いを至らせる時、「カルト現象が行き着く先には悲劇しかない」という私たちの懸念が再び現実のものとなったことを、強く感じざるを得ません。
 この事件をきっかけに、旧統一教会をはじめとする宗教等団体の被害当事者、とりわけ多くの「二世」が勇気をもって被害の現実を伝えてくれています。当会も、彼らの声にしっかりと耳を傾け、カルトで傷つく人がひとりでも少なくなるよう、彼らと共に努力していく所存です。また、全国霊感商法対策弁護士連絡会、全国統一教会被害対策弁護団、二世をはじめとする被害当事者を支援するすべての団体、組織と志を共にしていることを改めて表明します。
 日本は、1995年にオウム真理教による地下鉄サリン事件が発生した際も、国としてまとまった調査をせず、国会に当事者らを呼ぶことも、報告書を作成することもしてきませんでした。同様に、旧統一教会をはじめとするカルト現象により被害者を生む他の団体の活動も放置され、逆に政治家等によって特別に扱われ、多くの被害者だけが何の支援もなく放置され続けてきたのが現状です。
 社会、メディア、そして特に立法、行政、司法に関わる方々には、カルト現象、カルト団体により傷けられ人生を破壊された多くの人々、ばらばらにされた家族、人生の自由な選択を奪われた二世らの問題に目を向け続けてほしいと、心から願います。
 今度こそこれで最後にしてほしい、これで最後にしたい。あの日から1年を経た今、あらためて願いを強くしています。

2023年7月8日
日本脱カルト協会

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