Q1 カルトとはどういう団体なのですか?
カルトは人権侵害の組織です。組織に依存させて活動させるために、個人の自由を極端に制限します。
①メンバーの私生活を剥奪
②集団活動に埋没させる
③メンバーからの批判はもちろんのこと外部からの批判も封鎖
④組織やリーダへの絶対服従を強いる
といった特徴がみられますが、これらの特徴は表面的には隠されていますので、集団の外部から見ても区別がつかないことが普通です。カルトはこうした人権侵害の正体を隠すためにマインド・コントロールを用いることが多いです。
Q2 マインド・コントロールとは何でしょうか?
個人の抱く思想や概念、情報を操作します。
①自己観
②理想とする自分、家庭、社会、世界の見方
③人生の目標
④非科学的な自然や宇宙の因果法則や歴史観
⑤善悪や正誤の基準となる情報源
などが歪められて、自然に今の社会を否定してしまうようになります。
Q3 どこに相談すればいいでしょうか?
それぞれの団体に応じて相談窓口をもうけています。リンク集をご参照ください。
相談窓口(※リンク集)
Q4 もしも自分がかかわっている団体がカルトだと気づいたら?
正当な宗教団体は、勧誘時に名称を偽ったり、偽装サークルで勧誘することはありません。
たとえ勧誘してきた人が魅力的でも、そのサークルのメンバーに恩義を感じていても、自分自身の気持ちに疑う心が生じることに罪悪感を感じることなく、断るべきことはきっぱりと断わらないと、ついつい深入りしていまうのがカルトです。
その団体とは関係がない人に相談するなど、第三者の意見を聞くようにしてください。
もし「この団体のことは誰にも相談しないほうがいい」「誰かに相談してもほかの人には理解できない」「ネットの情報は見ないほうがいい」などという情報規制が始まったら、自分自身が誰かを勧誘したり、誰かに情報規制を強いる前にいったん離れてじっくり考えることを勧めます。
今後のことを考えて、もしその団体を離れようとするのであれば、献金したものや違法な行為などの証拠を確保しましょう。
例えば日付・金額・何らかの依頼文書などを残しておくことが大切です。
Q5 もしも家族・友人知人などがかかわっている団体がカルトだと気づいたら?
カルトに入信したのちその段階によって対応が異なるため、まずは段階について説明します。
①【初期段階】
所属団体がカルトであると本人も気づいていない段階 勧誘されたがまだ宗教団体であると明かされていない状態です。
②【教育段階】
カルト団体の導入教育(ビデオ教育・修行・講座受講など)が始まっている段階 宗教協議を繰り返し反復教え込まれた状態で、徐々に家族や友人との関係が疎遠になっていくことが特徴です。
本人は少し迷いもありながらも、教育段階が終わるまでは聞いてみようなどと考え、ズルズルと忠誠心が芽生え、この段階で団体名を知らされることが多いです。
③【正式メンバー段階】
出家、健診、修了式などなんらかの儀式を終えて正式メンバーになった段階 学業放棄や退社などがあり、本人と家族や知人関係の間に衝突が起こり、この段階で周囲の人たちがカルトのことを疑うようになることが多いです。
この段階によって対応法も違うので、「情報収集」「話し合い」の順で進めましょう。
④【情報収集】
その団体に所属する期間が長ければ長いほど、説得する機会を得ることも説得することもまた困難になっていきますので、早ければ早いほどいいです。
一方で説得する側に情報が少ないまま説得してしまうと、「やめろ」「やめない」の押し問答になってしまうことが多いです。
ある程度カルトの教義が入っていて、その団体やメンバーに少なからず魅力を感じていることから、何に魅力を感じているのかといった調査やその団体に対する情報収集が必要です。
その際は相談窓口(※リンクはる)を利用しつつ、その団体の何に魅力を感じているかは人によっても違うため、慎重に情報を入手し調査しましょう。
ネットの情報や批判的な情報だけでなく、その団体のサイトに書いてあることも、とても納得いかないようなものもあるかもしれませんが、冷静に調べていきましょう。
⑤【話し合い】(説得)
説得ともいわれますが、基本的な姿勢としては、脱会するように説得するというよりは、話し合いで考えを理解するためという姿勢が必要です。
誰でも自分自身がいいと思っているものをいきなり批判されることは気分が悪いものです。
その姿勢では冷静に話し合うことは難しいです。
また、自分たちだけではなく、できれば専門家のバックアップを確保した状態で話し合いすることを勧めます。
特に家族は「家族のことは自分たちがよくわかっている」と思いがちで、その面はもちろんありますが、そのカルト団体の教義やメンバーによって救われたと感じている一面もあるため、ただ批判をするのではなく、本人がなぜそこにひかれているのかといった視点も含めて話し合う必要があります。
団体をやめさせようとする家族や知人はその団体の魅力がどこにあるのかという観点にはどうしてもなりにくいです。
その時にその団体の魅力を少なからず知っている専門家、および脱会者などと協力していくことが必要です。